FreeNASからスピンアウトすること2年、ついにDebianベースのNASソリューション「OpenMediaVault」の最初のリリースが実施された。公開されたバージョンはDebian 6.0 "Squeeze"をベースにしている。Ext3、Ext4、XFS、JFSをサポートするほか、追加のアドオンとしてAFP、Bittorent、iTunes/DAAPサーバが用意されている。iSCSIターゲット、UPS、LVMアドオンは以降のリリースで対応すると説明がある。
これまでOpenMediaVaultはインストールディスクをOS領域とデータ領域の2つに分けて使用していたが、インストールを簡素化する目的でディスクをまるごとOS領域として使用するように変更したと説明がある。このため、インストール時にはOSをインストールするディスクのみを接続してインストールするように注意する必要がある。サイズの小さいSSDなどが想定されている。
OpenMediaVaultはFreeNASからスピンアウトしたNASソリューション。FreeNASはFreeBSDベースで開発されたNASソリューションで、手軽にZFSを活用したストレージが構築できるという特徴がある。OpenMediaVaultがスピンアウトしたのち、FreeNASはiXsystemsの支援を得て開発を継続。現在はエンタープライズでの用途を念頭においたFreeNAS 8.0系が公開されている。
OpenMediaVaultの開発者はFreeNAS開発当時、業務でLinuxを使用していたという。このため、FreeNASも使い慣れたLinuxへ移行させたいと開発を実施。しかしZFSが利用できないなどコミュニティの意見は別れ、最終的にスピンアウトすることになった。