PLMプロバイダであるシーメンスPLMソフトウェアは、ものづくりのスマートな意思決定の支援にフォーカスしたデジタル・マニュファクチャリング・ソリューション「Tecnomatix」の最新バージョンをリリース「Tecnomatix 10」したことを発表した。

Tecnomatixは、同社のオープン・ビジネス・モデルに則したオープンな技術基盤上に構築された実証済みのソリューションで、既存の環境に必要なソリューションを個別に使用することも、また工場や企業全体をサポートする完全統合デジタル・マニュファクチャリング・システムとして導入することも可能なソリューション。

最新版となるTecnomatix 10では、相互の理解とコラボレーションを推進ことを目指し、直感的なユーザ・インタフェースをさらに改善し、すべての関連情報を分かりやすいフォーマットで表示するようにユーザーインタフェースが変更された。

また、現在の世界的な厳しい経済環境において、コスト効率良くものづくりの生産性を向上させることを目指した機能拡張も施されており、例えば同社PLMシステム「Teamcenter」と統合し、製品とプロセスに関する情報をシングルソースに集約することで、生産性を向上させることが可能が。また、新たに搭載された3Dアニメーションによる作業指示書の作成機能、およびマシン・コントローラとのシームレスな連携を可能にするTeamcenterとのショップフロア接続機能により、高品質なユーザ環境の実現が可能となり、製造データのセキュリティ確保と、製造のプランニングから実際の製造までのプロセスの確実な管理を可能にすることができるようになるという。

さらに、機能強化されたプランニング・ツール、シミュレーション・ツール、コラボレーション・ツールを使って製品とプロセスの開発段階を同期化させることで、効率性を高めることができるため、これらを使うことで、製造を開始する前に、製造プロセスをプランニングして、最適化し検証することが可能となるほか、過去の検証済みの製造データとプロセスに関するナレッジを再利用することで、生産性を向上できるため、製造プランニングの生産性を最大40%向上させることが可能になるという。

加えて、障害の可能性をバーチャルに検証して特定し、その改善・変更がスタートアップや継続的な改良案件において製造システムに与える影響を、把握し、最適化を図ることができるほか、こうした反復的プロセスも、包括的なシミュレーション機能、検証機能、解析機能を用いることでバーチャルに実行することが可能だ。

このほか、強化された検証機能により、バーチャルな製造モデルと実機の製造装置とのインタラクションを可能にし、実行する操作、それを制御するプログラム・ロジックをテストしデバッグすることが可能となったほか、バーチャル・コミッショニングを行うことで、設計した製造システムが最初から正しくインストールされ運転可能かどうかを確認することができるようになった。

なお、Tecnomatix 10はすでに提供が開始されている。