Java Programming Language |
OracleはSun Microsystemsから引き継いたJavaの次期リリースをめぐり、最終的に「プランB」を採用した。これは当時のリリース要件からラムダ、モジュール、並列処理に関する実装を抜いたものを先に「Java SE 7」として公開し、そののちに不足分を追加して「Java SE 8」を公開するというもの。立案当時、「Java SE 8」のリリースは2012年後期が予定されていた。
「Java SE 7」は当初の予定通り7月28日(米国時間)に公開された。しかし、「Java SE 8」のリリース時期は2013年夏ごろを目処に実施すると発表があったため、Oracleは実施的に半年から1年ほど期限を伸ばしたことになる。
現段階で「Java SE 8」における導入が予定されている新機能は次のとおり。
- 開発者に高い生産性を提供するラムダ表現の導入。
- 大容量データの処理を可能にする新しいコレクションAPIの導入。
- マルチコアCPUを活用する機能の導入。
- Javaネイティブモジュールシステムの実現(Project Jigsawより)。
- Java仮想マシンでの動作に最適化された新しいJavaScriptエンジン「Nashorn」の導入。JavaとJavaScript間の完全な相互接続を実現。
- JavaFX 3.0による次世代Javaクライアントの導入。
- マルチタッチデバイスへの対応。
- HotspotとJRockitの完全統合。
Javaはプログラミング言語人気調査において長期に渡って1位を確保するなど高い人気を誇っているが、人気度合いは低下し続けている。プログラミング言語として進歩の遅さが原因になっていると指摘する向きもある。「Java SE 8」で導入が予定されている機能はどれも魅力的なものだが、2013年夏のリリースはラムダや並列処理、モジュール化などを求める開発者にとって遠すぎる未来という印象を抱かれる可能性がある。