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Adam Leventhal氏が自身のブログにおいて「DTrace for Linux」として、OracleがSolarisの主要機能である「DTrace」と「Zones」を「Oracle Enterprise Linux」へ移植するアナウンスをしたことに触れている。Adam Leventhal氏はもともとDTraceの開発に携わっていた開発者。氏は実際に試した結果をすでに紹介している。現状の実装はお世辞にもDTraceだと言って良いレベルではないとしているが、機能が取り込まれている点は注目に値する。
DTraceはシステムコールレベルでプログラムの挙動をリアルタイムにモニタリングできるようにする機能。設定ファイルがプログラム性を持っており、必要とする情報のみを加工して得ることができるなど、アプリケーションのボトルネック調査、セキュリティ分析、パフォーマンス解析などさまざまな面で活用できる。Solaris以外ではMac OS XやFreeBSDなどに移植されており、これらOSの特徴のひとつとなっている。
Solaris ZonesはSolarisの提供するOSレベル仮想化機能。Solarisの中に隔離領域を用意し、そこで別途Solarisを動作させるといったことができる。各種空間の分離、仮想化ネットワークの提供、リソース制御機能の提供、管理ツールの提供などが実施される。chrootやFreeBSD Jailをさらに強力に推し進めたものと考えるとわかりやすいかもしれない。
DTraceとZonesはSolarisの最大の魅力のひとつ。これら機能がOracle Enterprise Linuxに統合されるということになれば、Linuxディストリビューションの中でもエンタープライズユースで突出した魅力を持つ可能性がある。今後の動向が注目される動きといえる。