Ubuntuは1年に2回定期的にリリースを行なっている。スケジュールどおりであれば10月13日(現地時間)に「Ubuntu 11.10(開発コード名: Oneiric Ocelot)」が公開される予定だ。前回のリリースではUIにUnityが採用され、オフィススイートがLibreOfficeに、音楽管理ツールがBansheeに変更されるなど様々な改良が行われた。
では、来年リリース予定のLTS(Long Term Support)版に向けた試金石となる今回のOneiric Ocelotにはどのような改善が行われているのか。先月公開されたBeta2版Desktop Editionをもとにレビューしてみたい。
Unityのさらなる改善
Ubuntuでは11.04からUnityと呼ばれるユーザインタフェースを採用している。UnityはCanonical社で開発されており、GNOMEが採用したGNOME Shellではなくこちらを標準のUIとして採用している。リリース予定の11.10でもGNOME Shellは採用されず、引き続きUnityが使われている。
Mark Shuttleworth氏が以前に発言したとおり、Ubuntu 11.10よりクラシックなデスクトップ環境の採用を取りやめた。3Dアクセラレータ対応のVGAを積んでいない場合も同じUIで操作できるようになっている。
今回収録されているUnityでは新たに以下の機能が追加された。
- アプリケーションスイッチャの改良
- Dashメニューの改良
- Lensのフィルタの改良及びレートの追加
- Files&Folders 及びApplications ランチャをDash homeに統合
- Music Lensの追加
- 日本語検索の対応
UnityではAlt+Tabを押すことでアプリケーションスイッチャを起動できる。11.10で収録されているスイッチャは以前に比べよりグラフィカルとなった。ルック&フィールはMac OS Xのアプリケーションスイッチャに近い。ただし、3Dアクセラレータが効いていないデスクトップ環境では11.04と同じようなグラフィックで表示される。
11.04では左上にUbuntuのロゴがあり、そこからDashメニューを開いていた。11.10ではランチャ内にDashメニューが表示されるようになった。また、Dashメニューが改良され、Files&Folders ランチャ及びApplications ランチャがなくなり、Dashメニューに統合された。Dashメニューの下に表示されるLensバーからApplications LensやFiles&Folders Lensを選択できるようになった。
Dashメニュー内にある各Lensのフィルタも改良されている。フィルタには各Lensごとに独自のフィルタリングが用意されている。例えば、Applications Lensにはタイプ別、レート別にフィルタリングできるようになっている。レートのフィルタリングではUbuntuソフトウェアセンターからダウンロードできるアプリケーションをレートでフィルタリング検索することも可能だ。
今回からDashメニュー内にMusic Lensが追加された。Ubunut標準の音楽管理ツールBansheeに曲をインポートするとMusic Lensで検索できるようになる。
また、Dashメニューでは日本語検索にも対応した。ただし、通常のUbuntuデスクトップ環境で日本語検索をすると、入力した確定前の日本語が表示されないというバグがあった。3Dアクセラレータが無効のデスクトップ環境ではこの問題はでない。