ルネサス エレクトロニクスと同社子会社ルネサス モバイルは、車周辺のトップビュー画像表示や、レーン、標識、人、車などの情報表示を行なうシステムを1チップで実現する次世代画像認識SoC「SH7766」を製品化した。2011年11月からサンプル出荷を開始する。 

同製品は、同社の既存画像認識SoC「SH77650」との互換性を保ちながらもさらに性能向上しており、特に視点変換、ダイナミックレンジコントロール(輝度補正)などのView機能を強化している。このため、ルネサスではシーンごとに異なる視点のトップビュー画像をリアルタイムに見やすく表示する高度運転者支援システム(Advanced Driver Assistance System)や次世代トップビューなどのアプリケーションを実現できるとしている。

新たに視点変換エンジン、ダイナミックレンジコントールなどView機能向けのハードウェアエンジンを搭載した。視点変換エンジン「IMR(Image Renderer)」はビデオ入力ごとに対応し、シーンごとに異なる視点のトップビュー画像をリアルタイムに作成することができる。ダイナミックレンジコントロール(DRC)は、日向、日陰の輝度の大きく異なる複数の画像であっても、画像の輝度を整え、白とび、黒つぶれを同時に補正し、ドライバがもっとも見やすく表示することができる。

また、搭載している2Dグラフィックスエンジンに加え、オプションの3Dグラフィックスエンジンを使用してカメラ画像上に高度なグラフィックスを重ね合わせることで、従来にない高度なユーザインタフェースを作成することができるというほか、次世代画像認識エンジン「IMP-X2」を搭載。同エンジンは従来の同社の既存認識エンジン「IMP(Image Processing Engine)」とライブラリ互換を保ちながら、約4倍以上の処理性能を達成しており、人や車など判断系の処理を多用する画像認識アルゴリズムに対して、インテグラルイメージの生成など追加された機能を活用することで、CPUの処理判断との連携により、低消費電力ながら高度な画像認識性能を実現している。

なお、サンプル価格は5000円となっており、量産は2013年9月から開始し、2014年9月には月産10万個を計画している。

ルネサスの次世代画像認識SoC「SH7766」