米Brocade Communications Systems、CEOのMichael Klayko氏

ブロケード コミュニケーションズ システムズは10月11日、米Brocade Communications SystemsのCEOおよびCTOの来日に伴う記者会見を開催した。仮想化の普及、デバイスの多様化など、エンタープライズシステムにまつわるトレンドについて具体的な数値を提示しながら紹介したたうえで、仮想化時代に適した標準化の取り組みなどを説明した。

最初に登壇した米Brocade Communications SystemsのCEO、Michael Klayko氏は、エンタープライズ市場の動向について言及した。氏は、調査機関の予測データを引用しながら、2018年までにサーバのワークロードの86%が仮想マシンになることや、全世界のデジタルデータ総量が2020年には現在の約30倍の35ZB(1021Byte)になること、ネットワークに接続されるデバイスが2020年までに220億に上ることなどを紹介した。

米Brocade Communications Systems CTO兼コーポレート・ディベロップメント担当バイスプレジデントのDave Stevens氏

こうした状況を説明したうえで、Klayko氏は「ネットワークインフラには今、進化が求められている」とコメント。「ワールドワイドで70%、国内で85%のマーケットシェアを誇る」(Klayko氏)というファイバーチャネル分野で培った同社の技術を応用し、サーバの分野においてもシンプルで可用性に優れ、拡張性や柔軟性の高いソリューションを提供していくと説明した。

続いて登壇した同社 CTO兼コーポレート・ディベロップメント担当バイスプレジデントのDave Stevens氏は、サービスプロバイダー、データセンター、エンタープライズネットワークの3セグメントにおける基本戦略を説明した後、パブリック/プライベート/ハイブリットに対応したクラウド向けの統合アーキテクチャとして「CLOUD PLEX」を紹介。その特徴として「Fabrics」、「Global」、「Open」の3要素を挙げ、詳細を説明した。

CLOUD PLEX

これらのうち、Fabricsにおいて取り上げられたのは、同社の「Brocade VCS テクノロジ」に対応したネットワーク製品群。拡張性に優れ、さまざまなサーバ/ストレージに対応した「Brocade VDX 6710/6720/6730 スイッチ」を例として挙げ、その導入事例をいくつか紹介した。

Fabricsを実現する製品群

一方、Globalという点に関しては、遠距離のデータセンター同士で仮想マシンをやりとりできるようにするために、「高速接続/低遅延、高度な暗号化/セキュリティなどの要件を満たす必要がある」(Stevens氏)としたうえで、「単に仮想マシンを移設するだけでなく、データのレプリケーション/同期も実現しなければならない」(同氏)と解説した。同社ではすでに「3000km離れたデータセンター間でTBクラスのデータレプリケーションに成功している」(同氏)と言い、引き続き技術開発に努めていくした。

Globalに対応したデータセンターに求められる要件

そして、Openという点では、積極的に標準化活動に参加していることを挙げた。具体的な活動として、「Virtual Compute Block」と呼ばれる取り組みをパートナー各社と協力して進めているほか、今年3月に立ち上がった、「ソフトウェア・ディファインド・ネットワーキング(SDN)」を推進する非営利団体「Open Networking Foundation」の創設メンバーになったことなどを説明した。

Virtual Compute Blockのパートナー

Open Networking Foundationの概要

さらに同氏は、来年2月に国内で「OpenFlow Solutions Lab」を開設することも発表。「パートナー各社とともに、クラウドへと向かうネットワークの進化をリートする」と意気込みを語った。

来年2月に国内で「OpenFlow Solutions Lab」を開設