Crocus Technologyは10月6日(米国時間)、IBMと次世代磁性メモリに関する技術開発契約と特許ライセンス契約を締結したことを発表した。この特許ライセンス契約により、両社は協力して磁性体技術を半導体製品に組み込むことを目指した特許の相互利用が進められることとなる。

また、技術開発契約として両社は、Crocusの熱アシスト次世代マグネティック・ロジック・ユニット(Magnetic-Logic-Unit:MLU)技術をIBMのMRAM技術およびロジック技術などと組み合わせた技術の開発を共同で行うことを計画している。

MLUは、自己言及(セルフレファレンス)構造に基づくアーキテクチャで、Crocusのサーマリ・アシスティッド・スイッチング(Thermally Assisted Switching:TAS)技術を応用して開発されており、磁性ロジックとメモリ能力の双方を実現することが可能だとCrocusでは説明している。

またCrocusでは、同社の製造ベンチャーであるクロッカス・ナノ・エレクトロニクス(Crocus Nano Electronics:CNE)で共同開発にてもたらされるプロセス技術を展開することも計画している。

なお。Crocusのエグゼクティブチェアマンであるバートランド・F・カンブー氏は「IBMの業界トップクラスの素材関連専門的知識および半導体製造能力とCrocusのMLU技術とが組み合わさることにより、半導体産業の中心地でMLUアーキテクチャの開発が進むことを確信している。これにより、Crocusはカスタマの戦略的イニシアチブにとって最高品質でコスト効率の良いソリューションを提供できるようになる」と語っている。