J.D.パワー アジア・パシフィックは10月5日、2011年の「日本ITソリューション顧客満足度調査」の結果を発表した。同調査は、全国の従業員規模100名以上の企業を対象に、システム構築業務の委託契約先に対する満足度を明らかにするもの。

2011年7月から8月に郵送調査によって実施され、システム構築を外部に委託している2,703社から実際の評価件数3,936件の回答を分析している(1社につき最大2つの委託先の回答有)。

顧客満足の測定は、4つのファクターに関連する30項目に対する評価について質問し、それらを基に総合満足度スコア(1,000ポイント満点)として算出を行っている。ファクターとその総合満足度に対する影響度は、「営業対応」(26%)、「システム構築力/SE」(26%)、「プロジェクトマネジメント」(21%)、「アフターサポート」(27%)。

その結果、ランキング対象となった14ベンダー中、トップとなったのはキヤノン(803ポイント)だった。同社は4つのファクターすべてでトップの評価を得ている。第2位は富士ゼロックス(790ポイント)、第3位はリコー(789ポイント)で、いずれも「営業対応」、「システム構築力/SE」、「プロジェクトマネジメント」で業界平均を大きく上回っている。

日本ITソリューション顧客満足度ランキング(1,000ポイント満点) 出典:J.D. パワー アジア・パシフィック 2011年日本ITソリューション顧客満足度調査

J.D.パワー アジア・パシフィックは、「今回の調査では事業継続計画(BCP)対策など、東日本大震災や電力危機などの影響が想起される課題を挙げる企業が大きく増加しており、従来のコスト低減に加えて、ITに関する新たなソリューションニーズが生まれてきていることがうかがえる。一方クラウドサービスは、サービス導入提案を受けた企業の「営業対応」満足度が、受けていない企業よりも50ポイント以上高い結果となっており、提案活動が顧客企業から好意的に受け止められていることがうかがえる。」と分析している。