STMicroelectronicsは、従来のLDMOS技術を改良し、システム性能を向上させた「STH5P LDMOS」プロセスを採用したRFパワー・トランジスタ「LETファミリ」を発表した。
セキュリティ・サービス、緊急サービス、商用通信などの事業者が使用する無線基地局やリピータといった設備では、歪みの低減と同時に高い周波数で高RFパワー出力を達成する必要があり、このような相反する目標により、設計が複雑化し、余分なコストが発生しているが、同社では同製品を用いることで、そうした目標を達成することが可能だと説明している。
具体的には、STH5Pにより電力飽和能力が向上したほか、大電力レベルでの歪みの最小化が図られた。また、リニアリティ、耐久性および信頼性の改善が施されており、2GHzまでの周波数で動作が可能で、従来のLDMOSプロセスを使用したデバイス比で、性能ならびに効率が10~15%向上しているという。
さらに、従来製品比でゲインは3dB高くなったため、アンプ設計の簡略化が可能となり部品点数の最小化が可能となったほか、ブレークダウン電圧の65Vから80Vへの上昇、熱性能の改善などにより、信頼性および負荷不整合能力の向上も図られている。
すでに同ファミリとして6製品が量産中で、その他5製品の量産も2011年第4四半期に開始する予定。単価は1000個購入時で約31ドル~128.7ドルとなっている。