NECは10月4日、「システムモデルベースSI支援環境」を開発し、下期から適用を開始したと発表した。SEの経験則やノウハウをベースとしてSIのプロセスを支援していくという。
「システムモデルベースSI支援環境」には、システム構築を支援するための非機能要件評価ツールが複数あり、その1つとして「性能評価シミュレータ」がある。非機能要件評価ツールは、システムの可用性、拡張性、移行性、運用・保守性などのシステム特性を評価するシミュレータツールで、同社 中央研究所が中心となって、新たに研究開発を進めてきた。開発したツールにおいて、これまでのシミュレータの利便性を継承しながら、Hadoopに対応した。
Hadoopの特性を生かしたシステム開発を行うことにより、Hadoopの構造論からその長所と短所を見極めることで、Hadoopを利用したシステムの信頼性を向上させるとともに、これまでのDWH/BI系大量データ処理に加え、基幹系バッチ処理時間の大幅短縮を可能とする。
複数のスレーブサーバから成るHadoopクラスタによる並列処理は、スレーブサーバの台数と性能が、システムの性能要件に大きく影響し、これまでシステム構築後に性能要件の達成度を確認していたが、本シュミレータを利用することで、スレーブサーバをスケールアウトした構成でのシステム性能を、事前に予測することが可能となる。さらに、このシステムモデルベースSI支援環境は、今後機能強化を行うことで、より精度の高い大規模システムのシミュレーションが可能となる予定とのこと。
今後、NECでは企業向けシステムの構築実績を再利用・資産化した「システムモデルベースSI支援環境」を基にシステム構築を行うことで、設計・構築作業の一層の効率化を進め、より高精度な見積り、大幅なコスト削減および品質向上の実現を目指す。