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Firefox 7が公開されたことで、ベータチャンネル、オーロラチャンネル、ナイトリーチャンネルはそれぞれ8、9、10へバージョンアップが実施された。2011年内にリリースされる最後のバージョンはFirefox 9になる見通しだ。
Firefox 9で実現される機能もすでに概ね目処がたっている。開発者向けのブログであるMozilla Hacksに「Introducing Aurora 9」としてFirefox 9で実現される改善点や新機能が紹介されている。特に興味深い項目をまとめると次のとおり。
- JavaScript型推論の導入。型推論の機能を導入することでJavaScriptパフォーマンスの向上を実現させており、特にV8ベンチマークおよびKrakenベンチマークの双方において大幅な性能向上が確認されている。またこれは実際に利用されているJavaScriptアプリケーションにおいても改善が期待できる。
- mouseenterおよびmouseleaveイベントの導入。これまではmouseoverおよびmouseoutイベントを使って処理を行なっていたが、子要素のいずれかがフォーカスを得た場合に対象のイベントが親要素に対して順次バブルアップしていくため扱いにくいところがあった。今回追加されたmouseenterおよびmouseleaveイベントを使うことで、そうした場合のハンドリングがより改善されることになる。
- Firefox 4で「Do Not Track」機能が導入されたが、今回JavaScriptからユーザの「Do Not Track」設定を検出するためのインタフェースが追加された。
- input要素をネイティブアプリケーションが写真を撮るアクションを起こすためのトリガとして利用可能になった。
- XMLHttpRequestにおいてすべてのデータの受信を待つことなく、データの一部を受信して随時処理を実施することが可能になった。
Firefox 9の最大の特徴はJavaScript処理における型推論機能の活用にある。同機能が導入されたことで従来よりも進んだ最適化が可能となり、結果として処理速度の向上が実現されている。型推論機能のより進んだ統合やそのほかエンジンの最適化はまだ改善の余地があり、今後さらなる高速化も期待できるという。