音楽サービスの米Rhapsodyは10月3日(現地時間)、米Best Buyから音楽サブスクリプションサービス事業Napsterを買収することで合意したと発表した。米国では先に人気ストリーミングサービスのSpotify(スウェーデン)が上陸を果たし、デジタル音楽市場が再燃している。同業の吸収はデジタル音楽市場の戦いに備えた動きといえる。

RhapsodyとNapsterは、ともにオンデマンド音楽サービスを提供する事業者。Napserは1500万曲以上の楽曲カタログからストリーミングが可能で、料金プランは月額5ドル~。モバイルサブスクリプション顧客向けにオフライン機能も提供する。Rhapsodyは1300万曲のカタログを持ち、料金は月額9.99ドル~。PC(Windows、Mac)のほか、スマートフォン、IPTVからアクセスできる。加入者数では全米最大という。

今回の合意の下、Napsterのサブスクリプション顧客とIPポートフォリオなどの資産を獲得する。取引は株式交換によるもので、Best BuyはRhapsodyの株式を取得する。

Napsterは1990年代の終わりごろ、P2Pを利用した音楽ファイル共有サービスで人気を集めたが、著作権の問題が持ち上がり、その後レコード業界らが起こした訴訟で敗れた。Napsterは2002年、Roxioの傘下に入り、合法のデジタル音楽サービスとして再出発した。そして2008年、デジタル音楽強化を図っていたBest Buyにより買収された。

Rhapsodyは1990年代終わりにスタートしたListen.comが前身。その後、米RealNetworksにより買収され、Realと米ViacomのMTV Networksの合弁会社となり、2010年にスピンオフした。

取引は2011年11月末に完了を見込む。