トヨタ自動車は10月3日、バイオ・緑化研究所を公開し、バイオ・緑化事業の取り組みとして、「セルロースエタノール酵母菌」「駐車場緑化」「ワイヤー式壁面緑化」を公表した。
遺伝子組換え技術を用いて、セルロースエタノール製造の発酵工程で重要な役割を担う酵母菌が開発された。この酵母菌は、自然界の酵母では発酵が難しいキシロースを高効率で発酵させることができるとともに、酢酸などの発酵阻害物質に強いため、高いエタノール発酵濃度(1リットル当たり約47g)を実現している。
同社は、食料と競合しない非食料原料から作ることが可能な点からセルロースエタノールに着目しているが、ガソリンなどの液体燃料に匹敵するコストで製造することを目標に開発を行っている。
同日、新たに開発された車場緑化商品「Smart Green Parking」、ワイヤー式の壁面緑化商品「Smart Green Wall」の販売が開始された。
Smart Green Parkingは、本体パネル、緑化植物(トヨタ開発芝TM9、タマリュウ・タイム・シバザクラなど)から構成される。同社の調べでは、アスファルトの表面温度50℃に対し緑化駐車場の表面温度35℃と、約15℃下げることができたという効果がわかったという。希望小売価格は、4台分駐車場施工時の1台当り22万2,000円より。
Smart Green Wallは、ロールワイヤー、テンション調整材、ワイヤー端部調整材、ツル性植物から構成される。同社の調査では、効果として、非緑化時と比べ約25%の室内冷房の節電効果のほか、緑化なしの壁表面温度42℃に対し緑化部の表面温度32℃と、マイナス10℃を実現したことがわかっている。価格は1平方メートル当たり1万8,000円より。
これらのほか、樹木の緑陰や蒸散の効果を予測し、涼しく快適で過ごしやすい空間を創出することを目的に、緑化効果をシミュレーションする「クールスポット形成技術」の開発も行われている。同技術は2012年度内の実用化に向け開発が進められる。
同社は今後、都市緑化技術・商品を、スマートグリッドと連携させていく。