ソニーは10月3日、米国テキサス州オースチンで行われるスマートグリッドの実証実験「Pecan Street Smart Grid Demonstration Project」に参加することが決定したと発表した。
同社は同実証実験において、ユーザーにとって実用的なだけでなく、楽しく継続的に利用したくなるHEMS(ホームエナジーマネージメントシステム)を構築し、実用化に向けての検証を行う。
実験期間は2012年3月より2年間、実験対象戸数は最大500軒。
具体的には、従来のように、分電盤や機器ごとに電力を測定するための装置を取り付けずに、分電盤のメイン配線1ヵ所の電流波形を測定するだけで、家の中の主要な機器それぞれの測定を可能にする技術を検証する。
今回の実験では、テレビ用インターネット接続機器を対象の全家庭に導入する。これにより、リビングでテレビを見るのと同じ感覚でいつでもエネルギーマネジメントのポータルサイトを閲覧できるようになる。
加えて、ユーザーがサイトにアクセスすることが楽しいと感じるような、ゲームやフリーコンテンツの配布なども検討されているほか、将来的には広告などのビジネスモデルと組み合わせることで、ユーザーに金銭的な負担をなるべくかけることなくHEMSを運営できる仕組みを検討する。
ネットワーク経由でコントロール可能なサーモスタットを全戸に導入し、ピーク時間帯に、ユーザーに不便を感じさせない範囲内で空調制御を行うことも視野に入れており、一部の家庭では、電力消費のピーク時に通常の系統電力を使用せず、ソニーが開発した蓄電ユニットを併用することで各戸の消費電力平準化を図る予定。