マイコミジャーナルの隠れた!?人気カテゴリであるエンタープライズchの「サイエンス」。今週は「ニュートリノ」「ノーベル賞」「ブラックホール」のネタが注目される結果となりました。なかでも圧倒的なアクセス数を獲得したのは「【レポート】ニュートリノは光より速いのか - 相対性理論を覆す可能性をCERNが提示」。一般の人が「光より速い」と思いかねない比較的断定的な論調での報道が多かった状況で、冷静に事実を踏まえた内容の記事であったことが評価されたのかもしれません。ここでは、この1週間でよく読まれたサイエンスカテゴリの記事をまとめてみました。
【レポート】ニュートリノは光より速いのか - 相対性理論を覆す可能性をCERNが提示
イタリアのグランサッソ研究所(LNGS)に設置された「OPERA」というニュートリノ検出装置を使った研究グループが、ニュートリノの速度は光より速いという実験結果を発表した。これが事実であれば物理学の教科書が書き換わる大発見で、一般紙でもかなり大きく報道された。この実験について、CERNでセミナーが開催された。このセミナーから、かいつまんでどのように測定が行われたかを紹介する。
トムソン・ロイター、ノーベル賞受賞候補者24名を発表 - 日本人は1名が選出
トムソン・ロイターは9月21日、10月3日から予定されているノーベル賞受賞者の発表者に先駆け、同社の学術文献引用データベース「Web of Science」を元に、論文がどの程度引用され、学術界にインパクトを与えたのかなどを考慮した「ノーベル賞有力候補者(トムソン・ロイター引用栄誉章)」を発表した。
東大など、ミュー粒子崩壊を観測するMEG実験の中間成果を発表
東京大学などで構成される国際研究グループは、世界最高強度のミュー粒子ビームと新たに開発した素粒子測定器を用いて、標準理論を超える大統一理論などの新しい物理が予言する未知のミュー粒子崩壊を世界最高クラスの感度で探索することに成功したことを発表した。
東大、タンパク質「ミラクリン」が酸味を甘味に変換する仕組みを解明
東京大学は9月27日、西アフリカ原産のミラクルフルーツの果実に含まれる味覚修飾タンパク質「ミラクリン」による、舌に馴染ませると酸っぱいものを甘く感じられるというの不思議な効果について、その仕組みを解明したと発表した。
理研、世界的な論争が続けられてきた水の界面構造の謎を分子レベルで解明
理化学研究所は9月28日、世界的な論争が続けられてきた水の表面構造の謎を分子レベルで解明したことを発表した。
JAXA、ブラックホール周辺から吹き出すジェットの不規則変動の観測に成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月22日、NASAの広域赤外線探査衛星「WISE」が取得したデータを用いて、ブラックホール周辺が突然明るく輝きだす珍しい現象をとらえたことを発表した。
微生物もアルコールは夜に飲む - 京大の研究グループが確認
京都大学(京大)の研究グループは、土中や植物表面に住み、植物から放出されるアルコールの一種であるメタノールを食べるC1微生物が夜にメタノールを飲んで生活していることを突き止めた。
NIMSら、初期地球の生命につながる化学進化の場が海底地下であると発表
物質・材料研究機構と東北大学は9月27日に共同で、高温高圧条件でのアミノ酸の重合実験を行った結果、タンパク質の元となるペプチドがグリシンやアラニンなどの単純なアミノ酸から作り出されることを明らかにしたと発表した。
国立天文台、ブラックホールが形成する時空を確認
国立天文台の三好真助教を中心とする研究グループは、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール・サジタリウスA\*から3:4:6:10の整数比となる複数の周期を持つ電波強度の短い時間変動を観測することに成功したことを明らかにした。同機構の加藤成晃研究員によると、これはブラックホールの作る時空で、ブラックホールの周辺に存在する降着円盤が揺らされているものだという。