米Hewlett-Packard(HP)による買収計画が発表されている英Autonomyと米Oracleが言った/言わないの議論を続けている。「自分たちにも売却を持ちかけてきたが、金額が高すぎたから断った」とするOracleに対し、Autonomyはこれを否定している。
HPとAutonomyは2011年8月、買収に合意したことを発表している。Autonomyは構造化、非構造化データをサポートするデータ管理やエンタープライズ検索を開発するソフトウェアベンダーで、買収金額は約117億ドルにのぼるといわれている。
今回の口論の発端となったのは、Oracleが9月20日に開催した業績発表のカンファレンスコールで同社のCEO、Larry Ellison氏が、「Autonomyは自分たちのところにも買収しないかと持ちかけてきたが、金額が高すぎた」と述べたこと。
その後、AutonomyのCEO、Mike Lynch氏はWall Street JournalのDigitsブログにて、「ある投資銀行の買収候補リストにわれわれの社名が掲載されていたとしても、われわれとは関係ない」と述べ、Ellison氏の話は「不正確だ」と否定した。
この記事が掲載されたのは9月27日。これに対し、Oracleは28日に声明文を発表し、「ある投資銀行」がAutonomyをリストに載せた買収候補を持ってきたのではなく、Lynch氏が4月1日午前11時に投資銀行のFrank Quattrone氏とOracleを訪れ、Oracleの吸収合併トップのDouglas Kehring氏、社長のMark Hurd氏に会った、と記している。「その際にLynch氏が披露したPowerPointの資料もある」とOracle、「Lynch氏は記憶力が悪いのかうそをついているか、どちらかだ」と非難した。同時に、Hurd氏に送られたというPowerPointのプレゼン資料も公開した。
Autonomyはその後、プレス向けに声明文を発表した。これを掲載したThe Registerによると、4月にOracleと30分か40分の会合を持ち、Hurd氏が出席していたことを認めているが、それはQuattrone氏がHurd氏を紹介するために設定した会合だったという。当時、OracleはAutonomyの顧客で、Autonomyは売却先を探していたわけではなく、Quattrone氏の勤務する銀行はAutonomyと関係はなかったという。「Oracleは、イベントの結果や入手したデータ源について少しばかり混乱しているようだ」と記している。
一方、Financial Times紙が引用したQuattrone氏のコメントによると、Oracleの掲示した資料については自分がHurd氏に送ったものと認めているが、その時期は1月であり、4月の会合で使われたものではないこと、資料はAutonomyとは関係なく自分たちのアイディアとしてOracleに提示したものであることなどを記している。