大阪大学(阪大)の和田孝一郎博士、横浜市立大学(横浜市大)の中島淳教授らの研究グループは、ある特殊な口の中の最近(口腔内細菌)が脳卒中の発症に強く関係していることを明らかにした。

これまで虫歯菌や、歯槽膿漏の原因菌が心臓病などを起こすことが知られていたが、今回の発見により、口腔内細菌が原因となる疾病がさらに増える可能性があり、研究グループでも口腔内細菌が脳卒中以外の全身疾患、大腸炎や、肝炎などを起こすのかどうかの研究を進めているという。

現在、すでに阪大ほか国内の他施設共同研究で横浜市大 消化器内科の米田正人助教らが中心となり非アルコール性脂肪肝炎の発症に歯周病菌が関係していることを突き止めており、治療に関しても歯周病の治療により肝炎がよくなることなどを、横浜市大 口腔外科の藤内教授らと共同で明らかにしている。

また、若年者に多い難病である潰瘍性大腸炎の原因として特殊な虫歯菌が関係していることを横浜市大 消化器内科の日暮琢磨氏らが横浜市民病院との共同研究で解明を行っており、これらの取り組みから得られた成果は、当該患者の治療などに活用されることが期待されるという。