日立製作所は9月29日、九州大学大学院システム情報科学府においてプライベートクラウド形態の「仮想デスクトップ基盤」を構築したと発表した。同システムはすでに、2011年3月から運用が開始されており、2011年度前期に実施した3科目の授業で約100名の学生が演習用アプリケーションの利用環境として活用した。

構築されたシステムは、ネットワークを介して、学生が利用するPC環境とソフトウェアを、教室・研究室・自宅などの端末から利用できるクラウド型仮想デスクトップ環境を実現するもの。日立の「大学向けクラウド型仮想デスクトップソリューション」が用いられている。

同システムの導入により、PCの性能にかかわらず演習用アプリケーションが利用可能になり、教員も演習内容に合わせたPC環境の設定作業を1度行うだけで、必要な数のPCに対しさまざまな演習環境を瞬時に提供できるようになった。

加えて、1台分の仮想デスクトップに割り当てるCPUやメモリといったITリソースの振り分けを柔軟に行えるため、演習の内容に合わせて処理性能の高い演習用PC環境を用意することも可能となる。

仮想デスクトップ基盤の利用イメージ

2011年度後期からは、学生による自宅からの利用を本格的に開始するほか、通常の授業以外に、Hadoopを用いた大規模分散処理計算基盤を利用した演習といった研究室での高度情報教育にも適用し、2011年度の教員を含めた利用者数は400名にまで上る予定。