FacebookにTwitter、複数のソーシャルメデイァを使う企業が増えている。以前、これらを導入する前に押さえておくべきポイントは紹介したので、今回は実際にこれらを運用する際のポイントを紹介しよう。
ソーシャルメディアやGoogle Analyticsを専門としたコンサルティング会社、米LunaMetricsのBrian Honingman氏が、Mashableに寄稿した記事「複数のクライアント向けにソーシャルメディアのアカウントを管理する(原題:Manage Social Media Accounts for Multiple Clients)」によると、複数のソーシャルメディアを使う際の最初のポイントは「初めから担当者を決めておくこと」だという。
マーケティングや顧客満足度改善などを目的に、ソーシャルメディア戦略を展開するうえで重要なことは「一貫した戦略立案」だ。アカウント管理も然りで、「最初から専任のプロジェクトマネジャーを決めて進めることが大切だ」という。ソーシャル戦略に限ったことではないが、リーダー役となるプロダクトマネジャーが不在だと、プロジェクトは方向性を間違ったり一貫性を欠いたりしやすい。SNSは一過性のプロジェクトではなく、長い取り組みとなるのでなおさらだ。
次は「組織」だ。各サービスで利用するユーザー名、パスワード、リンク、グラフィック素材などを1ヵ所に集めておき、プロジェクトに参加する人すべてが同じ場所にアクセスするようにしたい。ここでは、「Dropbox」「Google Docs」「Basecamp」などのオンラインストレージ/コラボレーションサービスを推奨している。
コンテンツは、全体の戦略を見つつもあまり先まで計画を立てないようにしたほうがよいという。「2週間が最適。長くても1ヵ月までにとどめておきたい」とのことだ。というのも、1ヵ月過ぎるとトレンドが変わっていた、なんてことも考えられる。ツイート、共有、掲示など、さまざまなチャネルで効果的かつタイムリーにメッセージを発信しつつも、ミスを防ぐには、計画をいつ立てるかが大切になる。担当者には、管理力だけではなく勘とセンスも要求されそうだ。
そんな忙しい担当者を助けてくれるのが管理ツールだ。自分たちのブランドがどの程度ネット上で噂になっているのか、大企業なら米Sysomosのモニタリング/分析ツールを使ってもよいだろう。同ツールなら、「ソーシャルメディア上のディスカッションで影響の大きい人は誰れか」、「ディスカッションのトーンが肯定的か、否定的か」、「アクセスの多い地域はどこか」など、さまざまな分析が可能だ。
あまり予算がない企業には、設置したキーワードに一致するコンテンツをメールで知らせてくれる「Google Alerts」がある。Google Alertsは無料だが、ニュース、ブログ、ディスカッション、ビデオなどを対象としており、十分に役立ちそうだ。このようなツールを利用して、キーワード別にどのような話題が出ているのかを把握して、自社のソーシャル戦略に役立てたい。
Twitterの範囲内なら、Twitterが提供する高度検索機能「Advanced Search」がある。ユーザーが@を付けて自社名やブランドに触れていない場合もモニタリングできる便利な機能だ。
このほか、モニタリングやレポートのほか、チーム用のツール、スケジュール投稿と、さまざまな機能を持つHootSuiteも紹介されている。同ツールでは、Facebookのウォールやツイートにおいて返信が必要な場合に、どのコンテンツに誰が返信するのかの割り当てまで可能だ。