Analog Devices(ADI)は、ブロードバンド通信システム・アプリケーション向けに、高性能VGA(可変ゲインアンプ)「ADRF6516」および「ADL5336」を発表した。
ADRF6516は1チップ、デュアルのプログラマブル・ローパス・フィルタ付き可変ゲインアンプで、ベースバンドA/Dコンバータのドライバ用のアプリケーション向けに開発された。アンプのゲイン制御範囲は65dBで、入力段のデジタルVGA(15dB)と出力段のアナログVGA(50dB)とに分割されており、設計者は、SPIコントロール端子を用いて、31MHz、6ポール・バターワース(Butterworth)・ローパス・フィルタのコーナー周波数を1MHzステップの分解能で選択することができるようになる。
また、プログラマブルフィルタを集積しており、ディスクリートフィルタ構成に必要な部品点数を削減し、ボード面積の縮小が可能となる。さらに、ゲイン設定およびフィルタのプログラミングも柔軟に対応できるため、可変の信号帯域幅やゲインを必要とする受信回路もサポートすることが可能となっている。
一方のADL5336は、カスケード接続が可能なアナログ・デュアルIF VGAで、2個のrmsディテクタを内蔵し、最大4個の個別RFコンポーネントに加え、いくつかの個別受動部品も置き換えることが可能だ。
それぞれ個別に、もしくは2個のカスケード接続アンプとして動作し、その際、rmsディテクタは各VGAのゲインを独立してコントロールすることが可能なほか、カスケード接続モードで構成される場合、連続して48dBのゲイン制御範囲を提供することが可能となっている。また、個別の場合では、各VGAは24dBのゲイン制御範囲を提供。各アンプのゲインはSPIコントロール端子を通してプログラミングすることができるようになっている。
さらに、各rmsディテクタのゲイン設定点もSPI端子を介して3dBステップでプログラミング可能なほか、2段目のVGAの入力にはスイッチが1個集積されており、2つの入力ソース間をSPI制御にてトグル動作することができる。
なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価はADRF6516が8.99ドル、ADL5336が5.98ドル(いずれも米国における販売価格)となっている。