日立製作所はこのほど、電力を交流から直流に変換するコンバータ盤と充電を行うスタンドを分離した電気自動車(EV)用急速充電システムを10月1日より発売することを発表した。2012年2月に竣工予定の「横浜三井ビルディング」に、コンバータ盤1台とスタンド2台で構成される同システムが納入される。
同システムでは、コンバータ盤とスタンドが分離されたことにより、例えば、コンバータ盤を地下に設置し、スタンドのみを駐車場に設置するなど、限られたスペースにおける様々な設置レイアウトに対応。また、1つのスタンドの出力を15kW単位で設定することができるため、空いているスタンドの余剰供給電力を他のスタンドに振り分けて出力を上げ、充電時間を短縮するなど、利便性の向上や効率的な運用が可能となる。
同社では、短時間での充電ニーズが見込まれるショッピングセンターや自治体・公共施設、高速道路のサービスエリアなどへの導入を図り、2012年度に120台の販売を目指すとしている。さらに、今後は同社のEMS(エネルギーマネジメントシステム)やEVの車輌管理システムとの連携により同社スマートシティ事業の中核製品とするほか、EV用充電システムのラインアップ拡充を図り、企業のEVやEV充電システム導入のニーズに対応する考え。