東京電力は9月21日、福島第一原子力発電所・福島第二原子力発電所の事故による損害に対する賠償の進め方を発表した。同社は9月27日を目途に請求書用紙などの発送・受付を開始し、今年10月中の支払い開始を目指す。
請求書用紙の送付・請求は3つのグループに分けて行われる。1つ目は「仮払補償金をすでに受け取っている人」で、業種および損害項目に応じた請求書用紙が送られ、同紙に必要事項を記入して請求を行う。
2つ目は「被害概況申出書を提出した人」で、請求書用紙の送付手続きを行うため、被害概況申出書に記載された郵送先に「福島原子力補償相談室」まで連絡することを求める案内文が送付される。
3つ目は「初めて請求する人と郵送先に変更があった人」で、福島原子力補償相談室に電話をする必要がある。
賠償金額は「休業の場合の営業損害(避難指示などに関する損害など)」「減収の場合の営業損害(風評被害など)」「追加的費用」をもとに算定される。
休業の場合の営業損害は、過年度の売上高から休業に伴い発生しなくなった費用(売上原価など)を除いた部分と事故後に休業しても発生した費用(人件費、減価償却費など)が賠償の対象となる。
減収の場合の営業損害は、休業の場合と異なり、一定割合の売上の減少となることから、過年度の資料から同社事故の影響による売上減少の割合を乗じた部分が対象となる。
追加的費用は、事故によって負担を余儀なくされた追加的費用(商品の回収費用や廃棄費用など)は、合理的な範囲で実費が賠償される。
地震や津波などの他要因による損害は賠償の対象にならない。