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デスクトップとタブレット/スマートフォンではスクロールの方向が逆になっている。デスクトップアプリケーションの場合、スクロールバーの操作がスクロールの操作になっている。このため、たとえばスクロールバーを下に移動させると、下のコンテンツが上に移動してきて表示されるようになる。
スマートフォンやタブレットデバイスではこの動きが逆となる。指でコンテンツそのものを移動させるといった使い方になるため、コンテンツを上に引っ張るように指を移動させれば、コンテンツもその方向に移動する。下のコンテンツを表示させたければ、コンテンツを上方向へスクロールさせる。デスクトップの操作と真逆だ。
Appleは2011年7月、Mac OS Xの最新版となる「Mac OS X Lion」を公開した。Lionの最大の特徴は、iPadやiPhoneのユーザ体験をOS Xに盛り込んだ点にある。その一環として、デフォルトのスクロール方向がiPadやiPhoneと同じものへ変更されている。最初は違和感を覚えるが、慣れてしまえば自然に感じるようになる。
問題はほかのOSや、Lionよりも前のOS Xを使うときなどに違和感を感じることだ。一貫したユーザ体験が提供されていれば良いが、スクロールの方向がOSごとに変わると体が馴染むまで何度も違和感を感じることになる。
LinuxやFreeBSDにおいてその解決策の1つとなるが、「.Xmodmap」ファイルによる方法だ。
! Mac OS X Lion like mouse scrolling
pointer = 1 2 3 5 4 6 7 8 9 10 11 12
ホームディレクトリに「.Xmodmap」という名前のファイルを作成し、そこに上のような行を追加しておけば、Lionのトラックパッドと同じようにホイールを利用できるようになる。ホイールボタンの割り当てを逆にすることで、ホイールの回転をLionのトラックパッドと同じようにする。KDEを使ったディストリビューションの場合、マウスの設定UIから同様の操作を実施できる。
デスクトップのユーザ体験をスマートフォンやタブレットデバイスに近づけていく取り組みは、LionのみならずWindows 8デベロッパープレビューや、人気の高いLinuxディストリビューションでも実施されている。