STMicroelectronicsは、ブロードバンドSTB向けSoC「Olry」を発表した。同製品を用いることで、先端ゲーム、インターネット上のサードパーティによるOTT(Over The Top)ビデオの再生、各種アプリケーション・ストア、住宅内にあるタブレット・スマートフォン・PC・TVなどのすべての接続画面におけるセキュアなHD動画のストリーミングなどの付加価値サービスをサポートすることが可能になるという。
同製品のコアには、Android、Qt、インターネットのオープン・スタンダードであるHTML5など、さまざまなソフトウェア環境で提供されるコンテンツやアプリケーションの最適な再生を可能にする独自機能を備えたARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサを搭載しているほか、Adobe AIRとFlash Playerの最適なバージョンを活用するAdobe Flashベースのゲーム、メディア、データ主導型アプリケーションにも対応している。
また、GPUとして「Mali 400MP」を4コア搭載しており、高精細なグラフィックのレンダリングおよびマルチメディア体験などを実現することも可能となっている。
さらに、付加価値事業者サービスやクラス最高のセキュリティへの対応を目的とした機能に加え、MVC(Multi-View Coding)や3Dテレビ用のH.264/MPEG-2/4 AVCの他、VC1やGoogle WebMなどの放送・ビデオ圧縮規格をすべてサポートしており、Webソフトウェア、放送サービス、リアルタイム・テレビ会議などのインターネット・ソースをストリーミングする際に、ビデオ・コンテンツのデコードならびに再生を行うことが可能だ。
加えて、ビデオ規格の強化を目的に1080p 60Hzデュアル・デコーディング、SVCデコーディング、HDエンコーディングなどの拡張機能を導入しているほか、片側60fpsのフルHD 3D動画もサポートしている。特にゲームでは、このフレーム周波数により、モーション・ブラーの無い連続画像を実現することが可能となる。
なお、同製品はすでに主要カスタマ向けにサンプル出荷を開始しており、2012年中の量産開始を予定している。