日本アイ・ビー・エムと東芝は9月21日、東芝の企業向けPCとIBMの管理ソフトウェア「IBM Tivoli Endpoint Manager」の連携によってPCのセキュリティや省電力などを実現するソリューションが、実際の企業において、平日9時~20時のPCのAC消費電力の約47%削減できることを確認したと発表した。

同ソリューションでは、PCのAC電力消費を実測して可視化し、利用傾向で分類したユーザーグループごとに省電力設定をネットワーク経由でユーザーに意識させることなく設定・変更するもの。

両社は今回、東京精密において、8月22日から9月7日まで省電力ソリューションのテスト運用を実施した。テスト運用では、管理者がユーザーグループごとに利用傾向に応じた省電力設定をネットワーク経由で行った。

例えば、内勤で管理業務の割合が多いユーザーのPCにはより積極的な省電力設定を行う一方、画像解析などの技術用PCはディスプレイの輝度を高くするなど、きめ細かな設定が行われた。ユーザーごとのバッテリの利用に配慮しながら、昼間一部の時間帯を夜間に充電したバッテリーで稼働させるピークシフトも実施された。

結果、事業所内で使われるPC1台当たりの総電力使用量を約30%削減(特に政府が掲げた節電目標15%の対象となる平日9時~20時はAC電力使用量の約47%を削減)することに成功した。これは、PCに使われる電力料金を40%程度削減することに相当する。

今後、東芝は同ソリューションに対応した製品を今年度中に企業向けに投入していく予定である一方、日本IBMは同ソリューションに対応したソフトウェアを東芝に提供していく予定。