日立製作所は9月20日、海外鉄道システム事業の拡大に向け、現地の鉄道事業のニーズに即したシステムを構築する「鉄道システム統合シミュレーター」を開発したと発表した。
海外で鉄道システムを提案する際、システム全体を包括した提案、多様かつ複雑な輸送ニーズに対するエネルギーコストの定量評価などを迅速に行う必要がある。
こうした背景を踏まえ、同社は各種設備の相互作用を考慮した、鉄道システム全体を包括的な視点で評価できる鉄道システム統合シミュレーターを開発した。
同シュミレータの特徴は「鉄道システム総合評価解析技術」、「多様なエネルギー供給源を有する鉄道システムの解析技術」。
鉄道システム総合評価解析技術として、鉄道システム全体を構成するサブシステム(車両設備・信号設備・運行管理設備・電力設備など)の単体動作を再現するともにサブシステム間の相互作用や連携制御を考慮できるシミュレーターを開発したほか、評価目的に応じてサブシステムのモデルの詳細度の切り替え/組み合わせを容易に行える技術を開発した。
多様なエネルギー供給源を有する鉄道システムの解析技術としては、各種車両に対応したエネルギーフローのモデルと、エネルギー供給源を模擬した電流/電圧源モデル、各車両用機器の動作を模擬したモデルを開発した。
同シミュレーターを用いることで、車両設備モデル・電力設備モデルに蓄電装置モデルを加えて、蓄電装置の車両設備・地上設備への導入による省エネ効果を定量的に評価すること、蓄電装置を用いた最適な鉄道システムを提案することが可能となる。
鉄道システム統合シミュレーターの仕組み |