日清紡ホールディングスは9月20日、徳島県にある同社の完全人工光型植物工場において「いちご」を量産栽培することに成功したことを発表した。同いちごは「あぽろべりー」と名付けられ、近日中に出荷される予定で、今後、増産および販路選定などの事業拡大に向けた取り組みを進めていく計画としている。

いちごは年間を通して多くの需要があるが、一般的に甘くておいしいとされる一季成りいちごの旬は冬から春であり、その時期から外れた夏から秋にかけて、スーパーなどの店頭では生食用のいちごをほとんど見かけることはない。

植物工場は全天候型で、四季の区別なく、植物を栽培することが可能であり、今回同社では完全人工光型植物工場で室温や栽培環境など制御・管理することで甘くておいしい一季成りいちごを、年間を通して、安定的に供給する体制を構築したとするほか、室温や空調、照明などを高度に制御することで、いちごの味や色の個体差はほとんどないという。

また、衛生管理を徹底した環境での栽培のため、摘んだ後に洗わなくても安心して食べることも可能だという。

実際の完全人工光型植物工場での作業の様子

なお、あぽろべりーは、すでに徳島県から農産物の生産・品質管理体制を検査・認定する「とくしま安2農産物」に認証されている。