村田製作所と日本写真印刷は、モバイル機器のワイヤレス充電に利用可能な筐体を共同試作したことを発表した。
モバイル機器の薄型化やワイヤレス充電機能の搭載ニーズも増えてきているが、電力を伝送するアンテナは機器の厚みに影響を与えるため、モバイル機器のデザイン上、大きな問題となる。そこで、今回、村田製作所が開発した電界結合方式ワイヤレス充電のための受電回路部を搭載し、日本写真印刷が開発したアンテナ機能付き意匠フィルム(電極)がスマートフォンのバッテリーカバーに一体化された電極内蔵筐体の試作を行った。
試作したケースは、1~10W程度のワイヤレス電力伝送が可能だが、電極の厚みは数μm程度なため、従来のバッテリーカバーの厚みを変更することなく、ワイヤレス給電機能を付与することが可能となっている。また、電極部には絶縁保護層を設けることで安全性も確保している。
また、ワイヤレス伝送部のみで90%以上を実現しており、村田製作所などでは携帯電話、スマートフォン、携帯音楽プレーヤー、ポータブルゲーム機、デジタルスチルカメラ、タブレット、ノートPCなどモバイル機器、照明、装飾品、住設関連などのワイヤレス充電および、電力伝送での使用を想定しているという。