ローム子会社のOKIセミコンダクタは、車載およびポータブルのデジタル放送受信機器向けに2ダイバーシティ受信に対応した地上デジタル放送ISDB-T規格フルセグメント/ワンセグメントのOFDM復調・誤り訂正LSI「ML7137」を開発したことを発表した。

カーナビや携帯電話などのモバイル機器における地上デジタル放送への対応が増えてきているが、これら車載機器やモバイル機器では移動しながら受信を行うため、さまざまな伝搬環境による変動によって安定した受信を行うことが難しくなる。そのため、フルセグメント放送の移動受信においては、複数のアンテナで受信感度を上げ、信号の品質を上げるためダイバーシティ受信という方式が取られており、車載機器などでは、4ダイバーシティが採用されることもあるが、消費電力が高く、放熱設計の面からもセットの小型化が難しいという課題があった。

こうした課題に対し同製品では、2ダイバーシティ受信によるOFDM復調、複合信号を1チップに集積し低消費電力・小型化を図っており、130mWの消費電力と8mm×8mm のTFBGAパッケージを採用したほか、消費インバンドスプリアス除去機能の搭載による開発環境の改善が図られている。

なお、同製品すでに2000円(税別)にてサンプル出荷を開始しており、2011年12月より月産10万個の体制で量産出荷を開始する予定とするほか、さらなる高感度を目指した4ダイバーシティ復調・復号LSIの開発を進めており、将来的には自動車環境における高品質なTV視聴を低消費電力で実現するほか、海外の地上デジタル放送受信への対応も図っていく予定としている。

OKIセミコンダクタの車載/携帯機器におけるデジタル放送受信機器向け地デジ用OFDM復調・誤り訂正LSI「ML7137」のブロック図