NECはこのほど、航空管制や医療などのシステムにおいてユーザーがディスプレイの表示情報から受ける「視覚への刺激」と「操作ミス」の関係性を実証した。同社では解明された関係性の仕組みをシステム開発に応用することで、より使いやすく、操作ミスを低減するヒューマンインタフェースの実現につながるとしている。

これは、視覚刺激の変化によって操作にかかる時間とエラー率、認知負荷に関する実験で検証されたもので、操作時間とエラー率は視覚刺激「強」の場合に「無」や「弱」より長く・高くなった。一方で認知負荷については「強」と「無」で統計的に違いが認められたものの、「強」と「弱」では同程度の負荷となっていたことがわかった。

これらの結果から、操作時間やエラー率に変化が現れる前に、潜在的に認知負荷が高まることを実証・視覚化、また、刺激がごく弱い段階でも認知負荷は急激に大きくなる傾向があることがわかった。今後は視覚刺激の種類や強弱による負荷の変化を検証し、より詳細に負荷の原因まで特定することを目指すとしている。

同社では今回の実証結果を航空管制システムに適用し、ミスを低減するヒューマンインタフェースの開発を目指すほか、将来的には医療現場向けの電子カルテシステムなど、様々な領域・分野への適用拡大にも取り組む考え。

ランダムに配置されたアルファベットから目的の文字を探す実験で、視覚刺激の影響を検証

ミス低減のためには認知負荷を与えないGUIの設計が必要であることがわかった