ソニーは9月12日、欧州をはじめ世界各国で採用されている、デジタルケーブルテレビ放送規格「DVB-C」を改良した次世代規格である「DVB-C2(Digital Video Broadcasting-Cable 2)」に準拠した「復調LSI」2製品を発表した。

1024QAM/4096QAMに対応するDVB-C2は、伝送容量をDVB-Cに比べ増加させ、伝送路を有効利用することで、高品位なHD放送および多チャンネル化を実現する次世代規格。従来のDVB-Cに比べ16倍の多値変調方式が採用されており、ケーブルネットワーク内部のさまざまな反射波や妨害波に対するより強い耐性が要求されるが、同LSIでは、独自の「伝送路推定アルゴリズム」と「誤り訂正回路」を搭載したことにより、1024QAM、符号化率9/10にて所要C/N=32.1dBの受信感度を実現した。

「CXD2835ER」は、従来のDVB-Cの復調機能、「CXD2836ER」は、従来のDVB-CおよびDVB-T、DVB-T2の復調機能も搭載しており、これによりDVB-C2規格の普及に合わせ、柔軟なセット設計への対応が可能となるほか、機器の小型化や部品点数削減が可能になるという。

なお、「CXD2835ER」は2011年11月からの出荷開始を予定し、サンプル価格は5000円。一方の「CXD2836ER」は2011年12月からの集荷開始を予定しており、サンプル価格は7500円を予定している。

ソニーのDVB-C2復調LSI「CXD2835ER」(左)と「CXD2836ER」(右)