「Wikipedia」は日本語版だけでも76万以上、英語版なら373万以上の言葉を網羅する世界最大級のオンライン百科事典だ。Wikipediaを利用するにはインターネット接続が不可欠だが、「オフラインで利用できたら」と思う場合もあるだろう。
Digital Inspirationの記事「Wikipediaをオフラインで利用するための厳選ツール(原題:The Best Tools for Taking Wikipedia Offline)」では、そのためのツールをいくつか紹介している。
まずは、Wikipediaの全データのダンプをダウンロードして、アプリケーションを使って開くという方法がある。Wikipediaは、再配布や再利用のためにWebサイトでデータベースダンプを提供しており、これを利用するものだ。
このデータベースダンプはXML形式(.xml.bz2)で、ダウンロードした後にはこれを開くソフトウェアが必要となる。記事では、代表的な「WikiTaxi」というフリーソフトウェアを紹介。解凍に必要なインポーターを備えており、その後.taxiという同ソフトウェア用のフォーマットに変換する。あとは、入力スペースに知りたい単語を入力すれば、データベースから検索してくれる。
WikiTaxiが使いにくい人向けとして紹介されているのが「Kiwix」だ。WikiTaxi同様、無料で入手できるソフトウェアで、Windows以外にMacとLinuxでも利用できる(WikiTaxiはWindowsのみしか対応していない)。
KiwixはWikiコンテンツをオフライン利用に格納するファイルフォーマットであるzimを読み込めるソフトで、Kiwixをインストールし、.zimファイルでパッケージされたWikipediaをダウンロードすれば、別途変換することなくファイルを開くことができる。
手軽で便利ではあるが、Kiwixの欠点として、.zimファイルのWikipediaファイルは、データベースダンプより更新頻度が低いという点が挙げられている。Wikipediaは常時新しい情報が追加され、いろいろな人によって編集・追加されていくのが最大の特徴なので、この欠点は他の辞書ソフトウェアと比較すると大きいと言えよう。
もう1つの欠点としては、zimファイルで提供されているものは全項目を含んでいない点がある(だが、これは英語版Wikipediaのみに該当することで、日本語を含むほとんどの言語版では全項目を含むようだ)。
iPadやiPhoneなどのiOS端末で利用したいなら、Wiki Offlineアプリがおススメだ。このアプリはApp Storeで手に入る(残念ながら、日本語には未対応なので、今後に期待したい)。
最後は、Wikipediaを読むために製造された専用端末「WikiReader」だ。3.5インチの白黒画面を持つ手のひらサイズの端末で、Wikipedia公認というお墨付き。タッチによる操作が可能で、数ヵ月というバッテリ持続時間も魅力だ。端末をコンピュータに接続すれば、コンテンツをアップデートできる。日本語に対応した端末はBluedotオンラインショップや家電ショップでゲットできる。