国民生活センターは9月8日、比較的安価な放射線測定器の性能に関する調査結果を発表した。それによると、参考品を除く9銘柄は通常の環境程度以下の自然放射線を正確に測定できなかったという。

同センターは今回の測定を行った理由について、「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に東日本震災以降2011年7月末までに『放射線測定器』に関連すると考えられる相談が391件寄せられており急増しているため、比較的安価な放射線測定器が放射性セシウムを正しく測定できるかについてテストし、情報提供することにした」と説明している。

主なテストの結果は以下のとおり。

  • セシウム137由来のガンマ線測定試験において、参考品を除く9銘柄は、照射線量率と測定値に相関がみられたが、総じて正味値が低く、ばらつきも誤差も大きいため、正確な測定はできなかった。

  • インターネット通信販売サイトには、放射線を正確に測定できる旨の表示が見られたが、4銘柄は仕様に記載のある誤差範囲を超えていた。

  • 2銘柄で充電器にPSEマークの表示がなく、プラグの栓刃に穴がなかったため電気用品安全法に抵触するおそれがあると考えられた。

同センターでは、消費者に対し、「今回テストを実施した放射線測定器では、食品・飲料水等が暫定規制値以下かどうかの測定はできないので、こうした目的で購入・使用することは避ける」「環境中の放射線を測定する場合、公表されているデータ等を参考にし、測定器の示す値を直ちに信頼することは避ける」とアドバイスしている。

テストを行った放射線測定器一覧 資料:国民生活センター