Twitterでつい感情にまかせて暴言を吐いたり、他人を傷つけるようなことを書いたりしていないだろうか? Twitterでは、宛先や件名を記入することもなく、受け取るメッセージも短文がほとんどだ。その手軽さ故に、TwitterやFacebookなどの新しいソーシャルメディアでの誹謗中傷事件が増えているようだ。

英国のITニュースサイト「Silicon.com」が「ツイートする前に読み直そう - ソーシャルメディアでの誹謗中傷事例が倍増(原題:Think before you tweet: Social media libel cases have doubled)」という記事では、英国で増加中というソーシャルメディアでの誹謗中傷問題をレポートしている。

同記事によると、法務情報サービス「Sweet and Maxwell」は、英国においてTwitterなどの新しいメディアが関連した誹謗・中傷の訴訟が近年倍増したと報告しているという。具体的には、インターネット上でブロガーやTwitterユーザーが書いたことが名誉毀損訴訟に発展した件数は、2008年ー2009年の3件から2009年ー2010年には7件に増えたとしている。

入力ボタンを押すとあっという間に情報が公開されるインターネットは、伝播力において新聞やTVといったこれまでのメディアとは比較にならないほど強力だ。

同記事では、「誹謗中傷や名誉毀損となるメッセージはあっという間に多くの人に伝わる。Twitterのツイートは1度掲示されると、すぐさまそれをほかの人がリツイートし、メッセージを完全に削除することはとても難しくなる」とソーシャルメディアの特性を記している。

Addleshaw Goddard法律事務所の弁護士は、「ブロガーやTwitterユーザーが通常のメディアが利用しているような出版前段階の(表現や記述についての)指針やコントロールを持たない限り、このような名誉毀損訴訟は今後も増えるだろう」とコメントしている。

ソーシャルメディアの重要性は高まっており、自分たちについてどんなことが言われているかをモニタリングするサービスを利用する企業も増えているという。

「ネットだから言葉に気を付ける」、「ネットじゃないから何を言ってもよい」ということはないが、ネットの手軽さが軽率な発言を起こしやすくしているとすれば、落ち着いてキーボードを叩きたいものだ。「腹が立った」「ムカついた」と勢いまかせにタイピングすることが多い人は特に要注意である。