Texas Instruments(TI)は、プログラマブル・ディレイ付きの同期整流制御出力およびプリバイアス・スタートアップ回路を集積した、高効率PWM電源コントローラ「UCC28250」および「UCC28950」を発表した。2製品ともに、放熱特性を強化した4mm角20ピンQFNおよびTSSOPですでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価(参考価格)はUCC28250が1.70ドル、UCC28950が4.25ドルとなっている。

UCC28250は、ハーフブリッジおよびフルブリッジ制御向けPWMコントローラで、プリバイアス負荷条件において、出力電圧の単調増加性を保持する能力を備えていることから、外付け回路不要で用いることができる。

また、一次側または二次側の制御をサポート可能で、ワイヤレス基地局および産業用電源システムなどで使用される電源モジュールをはじめとする、各種の高電圧入力の絶縁型DC/DCアプリケーションにおいて、最高95%の電力変換効率および高い電力密度を実現することが可能だ。

さらに、導通ロスを最小にする同期整流制御出力を提供しているほか、スイッチング・パルスごとの電流リミット機能を1%以内の精度で提供することから、システム・コストの削減、設計の簡素化を実現することが可能。加えて、電流モードおよび電圧モードの制御オプションを供給することから、高い柔軟性を提供できると同社では説明している。

一方のUCC28950は、2本の追加PWM出力を備え、600Wまでのフェーズシフト・フルブリッジ制御で、90%を超える電力変換効率を提供することが可能。同期整流制御出力を内蔵するとともに、広い入力電圧範囲および出力電圧範囲に渡って適応的なゼロ・ボルテージ・スイッチング機能を提供しているため、スイッチング・ロスを低減し、市場の同種の製品と比較して、電力変換効率を20%向上することが可能となる。

また、電圧モードでハーフブリッジを、電圧/電流モードではフルブリッジを選択でき、より高速の応答を実現することができるほか、軽負荷時の管理機能によって、変換効率を70%向上できる。さらに、入力および出力のリップル電流を50~100%低減することから、より小型の入出力コンデンサを使用することが可能となっている。 なお、同社では、2製品を用いる電源設計に役立つ、各種のモデリングおよび製品セレクションツールの供給も行っているという。