ルネサスの32ビットマイコン「SH726A」「SH726B」

ルネサス エレクトロニクスは9月8日、カーオーディオやホームオーディオ、および産業機器など向け32ビットマイコンSuperHとして「SH726A」ならびに「SH726B」合計6品種を製品化したことを発表した。即日サンプル出荷を開始しており、サンプル価格はSH726Aが1400円から、SH726Bが1600円からとなっており、2012年5月からの量産開始で、月産規模は100万個を計画している。

2シリーズともに同社のSH2A-FPUマイコン「SH7260シリーズ」に連なるもの。外付けフラッシュメモリとして、接続のピン数を低減できるクワッドSPIフラッシュROM(シリアルタイプ)と接続し、直接クワッドSPIフラッシュROM上のプログラムを実行可能なバスコントローラを新たに搭載。これにより、従来のパラレルNORフラッシュROMと接続する場合と比べ、リードキャッシュの搭載により同等のアクセス速度を有しながら、接続用のピン数を削減することが可能となった。

また、デジタルオーディオ信号処理等の高速化を実現するため、CPUの最大動作周波数をオーディオ製品向けとしては業界最高レベルの216MHz(従来の「SH7266」からは1.5倍)に高速化。これにより音楽再生(圧縮オーディオのデコード処理)に加えて、Bluetoothでのハンズフリー電話用のノイズ除去処理(エコーキャンセル/ノイズ抑制)、音場処理などの負荷が大きな機能を実現することが可能となった。加えて、「SH726B」ではUSB(Full-Speed)を2チャネル内蔵しており、携帯型オーディオやUSBストレージなどのUSB機器の複数接続も対応することが可能となっている。

さらに、デジタルオーディオ向けミドルウェアを複数サポートしており、ユーザは開発工数の短縮が可能だ。サポートしているミドルウェアは以下の通り。

  • MP3、WMA、AACなどのデータをデコードするミドルウェア
  • USB、SDなどのデバイスドライバ
  • CD-ROM用のISO9660ファイルシステムやUSB/SDメモリ用のFATファイルシステムなどのミドルウェア

なお同社では、これらのドライバやミドルウェアを組み合わせたデジタルオーディオ用途ソフトウェア開発キット(SDK)の提供も可能であるとしている。