凸版印刷は9月2日、多種多様な形状に加工可能な近接型無線通信方式「NFC(Near Field Communication)」に対応したICタグを開発し、2011年9月中旬から販売を開始するとした。ターゲットは、コンサートのチケッティングやアミューズメント施設の入館管理、ガソリンスタンドのID認証など幅広い用途に向けている。

今回開発されたのは、ISO14443-TypeA、FeliCa、ISO15693の3種類の方式に対応した、高感度で高耐久性を有する小型アンテナ。小型のため、タグ自体の小型化や各種形状への加工を可能にし、携帯電話クリーナーなどへの一体化高なども実現した。さらに、顧客用途に合わせた幅広いシーンでの利用可能なNFC対応ICタグを製品化し、カスタマイズ対応していく予定だ。

若年層を中心に、携帯電話やキーホルダーにぶら下げたり、リストバンドとして身につけたりするなどのカジュアルに使うニーズが拡大していることから、今回の開発では、既存のプラスチックカード型に加えて、キーホルダー型やリストバンド型などバリエーションを豊富にした点が特徴だ。

NFC市場に関しては、今後、リーダ/ライタ機能を持つNFC対応携帯電話やスマートフォンの普及が予想されており、2015年には国内の携帯電話の約半数となる5900万台がNFC対応になることが見込まれている。そのほか、NFC搭載端末やこれらを活用したサービスの普及に伴い、NFC関連市場は2015年までに累計300億円規模になるという。同社としては、今回の製品で2012年に1億円の売り上げを目指すとした。

さらに同社の今後の展開としては、非接触IC決済サービスのpaypass、Visa payWaveなどの電子マネー対応ICタグ製品の開発を行っていくとしている。

今回のNFC対応ICタグは、顧客用途に合わせた幅広いデザインに対応可能となっているのが特徴