マーケティングの一環としてTwitterを導入したが、「誰をフォローすべきか?」、「効率のよい情報収集方法はないか?」など悩みは尽きず、Twitterは思いのほか時間がとられると痛感している人も多いのではないだろうか。

また、どうしたら人々を惹きつけるツイートを発信できるものかと思案している担当者もいるだろう。個人が趣味で始めたのなら簡単にやめられるが、会社や組織がマーケティング戦略の一部として始めたならそうはいかない。

幸い、Twitterには外部サービスを含め便利なツールがいくつもあり、これを利用しない手はない。以下、Mashableがこうしたツールを活用しながら、Twitterに割く時間を減らす方法を紹介している(Top 7 Ways to Save Time on Twitter)。

(1)他の人のリストをフォローする

自社のビジネスに関連のある人とつながっておけば、リアルタイムで重要な情報やトレンドをキャッチできる。Twitterはこのニーズを満たすもってこいのツールだ。

Twitterで効果的に情報収集をしようと思っているなら、誰をフォローするのかは重要なステップだ。ここで便利なのが、「Listorious」というサービス。Twitterにはフォローする人をグループ化するリストという機能があるが、これを活用したもの。キーワードを入れると、そのキーワードについてツイートする人やメディアの一覧が表示される。そのキーワードでタグ付けされた人もあり、主要なTwitterアカウントを網羅するのに十分なツールと言えそうだ。まずは、そのリストをフォローし、その後時間のあるときに個別にフォローしてはどうだろう? 

「Listorious」で「mycom」を検索してみた。残念ながら、マイコミジャーナルはトップには出てこなかったが

(2)マイクロリストでゴチャゴチャしたツイートをスッキリ

フォローする人が100人単位になれば、ひっきりなしにTwitterフィードが入ってきて「会話というよりノイズ」になる。そんななかから、重要なツイートを見つけるのは大変だ。チェックする時間が少ないなら、見逃す可能性はさらに高くなる。

そんな場合は、カテゴリやトピック別にグループ化したマイクロリストを作るとよいだろう。マイクロリストを作ったら、別々のカラムに分けてチェックしよう。なお、マイクロリストが100、200と増えてはメリットがなくなるので、各マイクロリストに入れるのは最大50程度にすべきだという。

(3)重要ではないルーチンプロセスは自動化せよ

Twitterは顧客と直接つながるうえで優れたサービスではあるが、すべての顧客のあらゆるアクションに対応するとなると手間と時間がかかる。それほど重要ではないものや自動化できる部分は、自動化ツールに頼るのも悪くない。

例えば、SocialOomphは、新しいフォロワーにお礼のメッセージを自動応答したり、フォロー返しも自動でできる。

Twitterだけでなく、Facebookなど他のソーシャルメディアも併用している場合は「Ping.fm」がお勧めだ。Twitter、Facebook、LinkedInなどのソーシャルネットワーク系、Delisious、Flickr、Blogger、WordPress、TypePadなどブログ系とさまざまなサービスに対応しており、複数のサービスに対し一括してメッセージの投稿が可能。

製品発表や新製品など、特定の時間にツイートしたいという場合もあるだろう。そんな時はスケジュール機能が便利だ。人気のTwitterクライアント「Tweetdeck」にはスケジュール機能があるし、日本語ユーザーインタフェースを持つダッシュボード「Hootsuite」や企業向けのサービス「Twaitter」でもスケジュール設定が可能だ。スマホ時代とはいえ、Twitterを24時間チェックしている人は少なく、1日数回という場合がほとんど。であれば、同じようなツイートを(内容にもよるが)数日にわたり複数回行うのもありだろう。

(4)キーワードとハッシュタグをフォローする

自分が興味ある内容のツイートを探すには、キーワードとハッシュタグをフォローするのが一番だ。Twitterの検索機能を使うもよし、特定のキーワードを知らせてくれるツールを利用するのもよし、さまざまなアプローチがある。

Mashableでは、ワシントンD.C.地区の地下鉄をテーマとしたブログ「Unsuck DC Metro」のブロガーが、ワシントン首都圏交通局(Washington Metro Area Transit Authority)「#wmata」というハッシュタグをフォローして自身のブログ向けの最新ニュースに活用している例を紹介している。

(5)既存のコンテンツを再利用

すでに企業ブログがある場合、その中にある優れたコンテンツを眠らせておくのはもったいない。ブログ更新の時にTwitterで紹介したとしても、記事の中の短いフレーズを取り出して再ツイートしてはいかがだろう。ブログだけでなく、ニュースや顧客事例でもよい。この手法を利用してユーザーの目に触れる率をアップさせたい。その際、該当記事へのリンクをお忘れなく。

(6)責任を共有する

負担を軽減する場合、一時的なアドホックプロジェクトを他の人に任せることは容易だが、毎日の作業でもやり方はある。

企業や組織が大きければ、すでに業務としてTwitterをやっている人がいる可能性がある。こうした場合、堅苦しくないシンプルな基本ルールを決め、チーム内でレビューした後、自由にツイートしてもらってはいかがだろう。ルールが守れているか、方向性がそれていないかを週に1度程度チェックすることも忘れずに。

Citrix Online(米Citrix Systems一事業部)のWeb会議サービス「GoToMeeting」マーケティングチームは、5、6人の複数のスタッフがツイートしている。各ツイートにはスタッフのイニシャルが入っており、ページにある顔写真から、読み手はツイートしたスタッフの風貌や個性が伝わってくる。チームで責任を分け合い1人の負担を軽減しただけでなく、メッセージがいきいきと伝わるというメリットも生まれている。

(7)計画よりも実践重視で

戦略や計画立案に時間を費やすよりも、まずはやってみることだ。Mashableでは、「1時間の会議よりも、その時間をブログの執筆に費やしたほうがよいし、他のブログを読んでコメントを残したり、自社のソーシャルメディアをプロモーションしたりしたほうがよい」と助言している。

企業がソーシャルメディア戦略を展開する際の最大の障壁は「時間とリソース」と言われている。ソーシャルメディアでのプレゼンスは戦略上重要になっており、最小の時間とリソースで最大の効果を上げられればベストだ。そのためのコツやツールを知るまでには、ある程度の努力が必要だが、やってみる価値はありそうだ。