日本HPは8月30日、ラックマウント型サーバー「HP ProLiant DL380 Generation 7」に、インテルXeon X5698プロセッサー(4.4GHz)を搭載した新モデルの販売の開始を発表した。同社のHPC分野における金融業向けソリューションを強化する施策として販売される。
金融業界においては、年々、高速演算能力が求められており、特に証券取引においてはコンピュータが自動的に売買発注などを行う「アルゴリズム取引」により、数百マイクロ秒単位で取引が行われるため、各計算処理の遅延を抑えたシステム作りが取引の成果に大きな影響を及ぼしている。
同社では、これまでもx86サーバーの重点分野の1つとして、HPC分野でのビジネス展開を推進し、2010年には、製造業向けにCAE(Computer Aided Engineering)プロセスを高速化・効率化する統合環境「CAE リファレンスアーキテクチャー」等の実績を残してきた。その最先端のテクノロジーを、金融システムでも活用すべく、大規模リスク/プライシングシミュレーションのための計算グリッドシステムや、マイクロ秒を争う証券取引システムでのLow Latency(低遅延)ソリューションなど、継続して取り組んでいる。
今回発売される製品は、4.4GHzのクロック数を実現したインテル Xeon X5698プロセッサーを搭載することで、金融トレーディング向けシステムの中でも、特にパフォーマンスが重視される分野に向けて開発されている。相場状況に応じて瞬時に大量の売買注文を出すハイ・フリークエンシー・トレーディング(高頻度取引、超高速取引) に代表されるような、マイクロ秒を競う売買システムに最適なプラットフォームとなっている。
製品の価格は、461万7900円から。フルカスタマイズCTO(完全注文仕様生産)専用モデルで提供される。