IDC Japanは8月29日、2011年第2四半期(4~6月)の国内サーバー市場動向を発表した。それによると、2011年第2四半期の国内サーバー市場規模は1,282億円で、前年同期比35.4%増。出荷台数は、同65.9%増の19万5千台だった。
今期の高成長は、富士通の「京」コンピュータによるもの。「京」は、独立行政法人理化学研究所と富士通が共同開発したRISCサーバ。今年6月に、6万8,544個のCPUを搭載した同コンピュータが、世界スーパーコンピュータTOP500ランキングで、第1位を獲得した。今期の出荷実績から「京」を除くと、出荷金額の成長率はマイナス0.1%で、ほぼ前年同期並み。また、「京」を除いた出荷台数の成長率は、プラス7.6%。
出荷金額ベースのベンダー別シェアでは、「京」を出荷した富士通が引き続き首位となったが、x86サーバとRISCサーバ(「京」以外の)がプラス成長だったが、メインフレームは3四半期連続のマイナス成長となった。以下、2位IBM、3位HP、4位NEC、5位日立と続いている。出荷台数でも、「京」の効果で富士通が1位。2位はHP、以下、3位NEC、4位デル、5位IBMの順となった。
同社サーバリサーチマネージャーの都築裕之氏は「今期はx86サーバが好調。震災の教訓から、DRP(Disaster Recovery Plan)関連の案件が目立った。また、インターネット/スマートフォンのコンテンツやクラウドサービス関連の大型案件が多数あり、インターネットビジネス向けの出荷好調は、スマートフォンの普及が大きく影響している。クラウドサービス向けの出荷好調は、BCP(Business Continuity Plan)を目的とした投資が増加していることが背景にある」と分析している。