デュアルコア仕様のA5チップ、内蔵メモリの倍増、両面カメラの搭載など大幅にスペックアップしたiPad2が、2011年3月に米国で発売開始されてから約半年が経過した。最近のAppStoreでは、iPad2専用のアプリやiPad2でのみ特別な機能が追加されるといったアプリも散見される。そこで今回は、iPad2の高スペックを活かしたクリエイティブ・アプリをピックアップしてお届けしよう。

iMovie

iPad2の登場に合わせて、本家Appleからリリースされた映像編集アプリ。iPhone4および第4世代iPod touchに対応したバージョンが先行してリリースされていたが、バージョン1.2よりiPad2に対応した。新バージョンでサポートされたiPadの機種はiPad2のみ、オリジナルのiPadでは基本的にはインストールすることさえできない。これは「フロントカメラ機能」の有無に加え、大画面でiMovieのフル機能を活かし快適な動作を実現するためにはiPad2の性能が必須とのなることも大きいはずだ。iPadの大型ディスプレイを使った映像編集は、iPhone4などと比較し、操作性・視認性において格段に快適なものとなっている。iPad2自体で撮影した映像はもとより、iPhone4で撮影された映像も取り扱えるので、手軽に持ち運べるモバイル映像編集システムとしてぜひ活用してみよう!

keynote

「Keynote」は、アニメーション効果をつけたグラフやトランジションを用いたプレゼンテーションデータを、タッチやタップのシンプルな操作で作成できるアプリ。iPad2を利用することで、別売りの「Apple VGAアダプタ」(D-Sub:1920x1200)や「Apple Digital AVアダプタ」(HDMI:1080p)も接続できるので、ハイビジョンテレビやプロジェクタを活用した高解像度かつ本格的なプレゼンテーションを行える。また、iPadのディスプレイに表示されているそのままを外部ディスプレイに出力できる「ビデオミラーリング」機能が新たにサポートされたため、Keynoteに限らず、すべてのアプリケーション、Webページ、ムービー、写真などを、手軽にたくさんの人に披露できるのも大きな魅力だ。

SketchBook Pro for iPad

デスクトップ用に同社から提供されている「SketchBook Pro」と同等のペイントエンジンを搭載したお絵かきアプリ。大画面を活用したフルスクリーン&マルチタッチ対応のユーザーインタフェースを採用し、iPadでプロクオリティの作画を実現する。最大2,500%までのズーム、3本指ジェスチャー、75種のプリセットブラシおよび完全カスタマイズ可能なブラシ設定、圧力感知、カラーホイルとカスタマイズ可能なカラースウォッチ、10回までのアンドゥ/リドゥ、レイヤー付きPSDファイルのエクスポートなど、多彩かつ本格的な作画機能を備える。なお、通常はキャンバスサイズ1024×768で最大6レイヤーだが、iPad2を利用することで、キャンバスサイズ1024x768で最大12レイヤー、または2048x1536の高解像度で最大4レイヤーまでの取り扱いが可能となり、さらにクリエティブかつ高品位な作画を行うことができる。

djay for iPad

Mac用としても高い人気を誇るデジタルDJソフトのiPad対応バージョンである「djay for iPad」。iPadをリアルな高性能ターンテーブル・インタフェースを備えた本格的なDJシステムに変身させる。iPodライブラリに保存された曲をダイレクトに呼び出すだけで、いつでも気軽にクールなDJパフォーマンスが楽しめる。LOOP/EQ/CUEといったDJの基本機能に加え、ターンテーブル部分を2本指で擦るだけで、タイミングが難しいスクラッチ時のクロスフェーダーの操作を自動的に行ってくれる「オートカット」機能、さらにお気に入りのプレイリストを自動的にミックスしてくれる「オートミックス」機能などを搭載する。デュアルコアプロセッサへの最適化により、iPad2利用時のみ、デスクトップPC同等の高品位なタイムストレッチ(キーを固定した状態)、さらに高い精度でのオーディオ解析などを実現する。

Evernote Peek

iPad2と同時に発表された純正カバー「Smart Cover」を活用した無料の学習アプリ。Smart Coverは、画面の保護やスタンドとしての機能に加えて、iPad2デバイス本体と連携し、カバーをつけるとiPadが自動的にスリープ状態に、外すとiPadはすぐに復帰する仕組みとなっている。本アプリでは、そんなSmart Coverの折りたたみ機構を利用することで、カバーを少しめくって問題を閲覧し、さらにカバーを引き上げて回答を見るといった単語帳感覚のユニークな操作性を実現。なお、本アプリは、Evernoteサービスと同期しているため、自分のノートを自由に追加しオリジナルの問題や教材を作ることも可能だ。学習時のみならず、アイディア次第で様々に活用できるクリエイティブなアプリだ。YouTubeにて本アプリの紹介動画を視聴できる。