IDC Japanは25日、2010年の国内情報セキュリティソフトウェア市場規模実績と2015年までの予測を発表した。それによると、2010年の市場規模は2,030億円、前年比成長率は11.8%で、2009年のマイナス8.2%から回復を見せた。2015年までの年平均成長率は2.8%で、2015年の市場規模は2,329億円になると予測されている。

特にアイデンティティ/アクセス管理ソフトウェアでは、テレワークの普及やパブリッククラウドサービスの利用拡大によって、シングルサインオンやフェデレーテッドシングルサインオン、認証関連の製品需要が高まり、年平均成長率は5.0%、2015年の市場規模は655億円と予測。

一方、アンチウイルス製品やスパム対策製品、URLフィルタリング製品などのセキュアコンテンツ/脅威管理ソフトウェア市場では、クラウドなどによるサービス利用が進んでいる。また、ログ管理やポリシー管理を含むセキュリティ/脆弱製管理ソフトウェア市場では、リモートPCやモバイル端末のセキュリティ管理製品の需要が高まることが予想されている。

国内セキュリティソフトウェア市場 セグメント別売上予測

こうした中、調査では個々のライセンスモデルが異なることでユーザー企業がセキュリティ予算の計画が立てづらくなっていることを指摘。同社ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの登坂恒夫氏は、ベンダーがソリューションとしてのライセンスモデルの共通化やパッケージ化を図ることで「ユーザー企業への総合的なセキュリティベンダーとしてのポジションを取ることが可能となる」と述べている。