デルは8月24日、超高密度かつ省電力のクラウド・コンピューティング環境を実現する「Dell PowerEdge C5220 マイクロサーバ」を出荷開始した。同製品はCPUとして、1ソケット向けインテル Xeon プロセッサー E3-1200製品ファミリーを搭載している。
公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏は、PowerEdge Cシリーズのポジショニングについて、「当社は2007年より、数万大規模のデータセンターに対し個々にフルカスタマイズして提供するDCSというビジネスを行っている。その導入例には、DCSマイクロソフトのBingやFacebookのデータセンターなどがある。DCSで得たノウハウを超数千台規模のサーバ向けに展開したものがPowerEdge Cシリーズとなる」と説明した。
PowerEdge Cシリーズは「キャパシティ重視」「高密度性重視」「GPU向けPCIe拡張シャーシ」「マイクロサーバ」の分野に分かれている。
同氏は1Uサーバに対する同製品の優位性として、「冷却「消費電力」「省スペース」を挙げた。既存の1Uサーバに対し、3Uのラックマウントシャーシに最大12台のサーバを搭載できる同製品はファンの数が6分の1、ノード当たりの消費電力が40%減、4倍の密度となっている。
同社の製品として、100%コールドアイル・メンテナンスを実現しているのも同製品の特徴だ。電源モジュールも前面から取り付け可能なため、一旦設置してしまえば、すべてのメンテナンスをコールドアイル側から行えることができる。
コンピューティング&ネットワーキング統括本部 SE部 部長の馬場健太郎氏からは、OpenStackへの取り組みについて説明が行われた。
同社は製品戦略の1つとして「オープン」を掲げているが、その具体的な取り組みがこのOpenStackとなる。OpenStackとは、オープンソースのクラウドインフラストラクチャのプロジェクトだ。
同社はOpenStackを導入するためのツール「Crowbar」を独自開発するとともに、ソフトウェアに加えて同社のハードウェア製品をOpenStackを簡単に利用できる推奨構成として提供する。
「Crowbarは当社が開発したツールだが、オープンソースで提供しており、BIOS設定から、OS/OpenStack/管理ツールまで自動でインストールする。通常、オープンソースのOpenStackを導入しようとすると、さまざまなツールを手動でインストール必要があり、手間と時間がかかる。そうした課題をCrowbarは解決する」と同氏。