ADIの14ビットADC。デュアル・チャンネル品「AD9648」とシングル・チャンネル品「AD9642」のパッケージイメージ

Analog Devices(ADI)は、通信機器などのアプリケーション向けに、高速A/Dコンバータ(ADC)5製品を発表した。

今回発表されたのは14ビットでデュアル・チャンネル品「AD9648」、14ビットでシングル・チャンネル品「AD9642」、12ビットでデュアル・チャンネル品「AD9628」、10ビットでデュアル・チャンネル品「AD9608」、12ビットでシングル・チャンネル品「AD9634」で、いずれもすでに量産出荷を開始、1000個受注時の単価は11.25ドルからとなっている。

デュアル14ビットADCのAD9648は最大125MSPSで102mW/チャンネルの消費電力と、70MHz入力で91dBcのSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)性能を備えており、同社ではIF周波数が200MHz以下のマルチモード・デジタルレシーバに最適なデュアル高速ADCと説明している。

同じく14ビットのシングルチャンネル品であるAD9642は、パッケージサイズが競合製品比で30%小型の5mm×5mm 32ピン LFCSPを採用。これにより、基板上の実装スペースを減らすことが可能なほか、IF周波数が最高350MHzであるため、125MHzまでの広帯域信号への対応が可能だ。。250MSPSのベースバンド入力で、72.2dBFSのS/N比(信号対ノイズ比)と90dBcのSFDRの性能時で、消費電力360mWを実現している。

この2製品に共通する特長としては、出力誤差補正ロジックを集積した多段差動パイプライン・アーキテクチャを採用していることで、いずれも-40℃から+85℃の工業用温度範囲仕様となっている。

また、AD9648は、1.8V CMOSまたはLVDSに設定可能な、2つの14ビット出力を備えており、AD9642は、同社独自の差動入力により、最高350MHzまでの入力周波数で高いSFDR性能を実現することが可能だという。