台湾HTCは8月16日(現地時間)、米デラウェア地区裁判所と米国際貿易委員会(ITC)にて米Appleを特許侵害で提訴したことを明らかにした。「iPhone」「iPad」だけではなく、Macを含む広範な製品が自社特許を侵害していると主張している。

HTCは今回、自社が保有する米国特許3件(特許番号7,417,944、同7,672,219、同7,765,414)をApple製品(iPhone、iPad、「iPod」、Macコンピュータ)が侵害していると主張している。主に、1)ユーザーが家庭で複数の端末をワイヤレスで接続するWi-Fi機能、2)PDAと携帯電話を単一のデバイスにシームレスに統合できるプロセッサ間通信機能、の2つの分野という。

スマートフォンベンダー各社は激しい特許係争状態にあり、中でもAndroidベンダーが提訴される傾向が強い。主要AndroidベンダーであるHTCや韓Samsungは、いずれもスマートフォンで対抗関係にあるAppleと法廷でも戦っている。ドイツ地裁は先にAppleの要求を認め、欧州で「Galaxy Tab 10.1」を販売指し止めとする仮判定を下し、話題になった(その後、販売指し止め令はドイツ以外で解除されている)。

多くの場合、裁判所に加えて米国での販売を禁止できるITCでも訴えを提出しており、ITCは7月、Appleの訴えを認め、HTCがAppleの特許を侵害しているとする初期判定を下している。

HTCは提訴や控訴と平行して、特許係争攻防のためにS3 Graphicsを買収するなどの対策も講じている。

HTCとAppleは、英国法廷でも特許係争を繰り広げている。