Firefox web browser - Faster, more secure & customizable

Firefoxの新しい2Dグラフィックコンポーネント「Azure」が「Firefox 7」にマージされる目処が立ったことが「Releasing Azure」において報告された。現在のAzureの実装はcanvas要素のみを対象としているほか、それほど最適化処理は施されていないため、従来の処理の方が高速なケースもある。特にシャドー処理回りは従来のコードの方が優れているが、実際のユースケースでは問題ないと説明がある。

GPUのハードウェアレンダリング機能を活用してレンダリングを処理を高速化する取り組みは、すべての主要ブラウザで取り組まれている。Firefoxは現在の2Dグラフィックコンポーネントである「Cairo」において、ハードウェアレンダリングを利用するように開発を進めた。しかし、IE9と比較するとそれほど性能が発揮できていなかった。これはCairoがステートフルAPIであること、Direct2Dを利用する際にフォーマット変換が発生するなど、オーバーヘッドが発生していることが原因だとみられている。

「Azure」はこうした「Cairo」の問題を解決し、高速なレンダリングを実現するための新しい2Dグラフィックコンポーネント。今後、「Cairo」から「Azure」へ移行するためのバックエンドやラッパライブラリの開発を進め、最終的に「Azure」をFirefoxのレンダリングの中心的役割を担わせる方向性とされている。何らかの問題が発生した場合にはFirefox 7での採用は見送り、Firefox 8での導入となる。少なくとも年内には「Azure」の機能がマージされたFirefoxを使っているということになりそうだ。

「Azure」はすでに「Cairo」よりも優れた性能を発揮することが知られている。しかも、依然として最適化はほとんど実施されておらず、今後も高速化が期待できる。