The GNU Image Manipulation Program |
GIMPは2008年10月にGIMP 2.6がリリースされて以来、メジャーアップグレードバージョンがリリースされていない。すでに3年ほど2.6系のままだ。しかし、この状況も2011年で終わることになりそうだ。GIMP 2.8のリリースが12月4日に予定されているうえ、今のところ目立った遅延もなく開発は進んでいるようにみえる。
GIMPの開発チームは2.8で現在の分割ウィンドウのGUIを変更し、シングルウィンドウモードの導入を目指している。2.10ではGoogle Summer of Code 2011で採用されたプロジェクトの成果物の取り込み、3.0ではGTK 3.0の対応とGEGLへの完全な切り替えが予定されている。また、2.10以降は短周期リリースへ切り替えると説明しており、この3年間の反省を踏まえ少ない新機能と頻繁なリリースという開発スタイルへ変更することになる。
また、GIMPのオールドコアをGEGLへ移行させる目処がたった今、さらにパフォーマンスを引き上げるための新しい中長期的な開発戦略を検討すべきタイミングがきたと指摘し、いくつか方向性を示唆している。最近のトレンドはマルチスレッド、GPU H/Wレンダリング、ネットワークにあるとし、これらを組み合わせてGIMPに取り込んでいく可能性がある。
GIMPはGPUを使ったハードウェアレンダリングを実験的に2009年のGoogle Summer of Codeで実施している。GEGLにおけるGPU ハードウェアレンダリング機能だ。2011年のSummer of CodeにはGEGLにOpenCL対応機能を取り込むプロジェクトがあり、この機能はGIMP 2.10には取り込まれる予定になっている。2012年以降はレンダリングが高速化したGIMPを利用できるようになりそうだ。