大阪市立大学は8月17日、実施期間は8月19日から9月末をめどにNTT西日本日本橋ビルにおいて、水道水ミスト散布によるエアコンの省エネルギー効果などを検証する実測調査を水道局と共同で行うことを発表した。
同大工学研究科の中尾正喜教授を中心とする研究チームはミストの蒸発冷却現象の基礎的研究を行っており、ミストの空気冷却能力(ミストの蒸発率)を計測する方法を確立、ミストの粒子径、外気温湿度、蒸発距離とミスト蒸発率の関係などを明らかにしてきた。
今回のミスト散布活用によるエアコンの省エネルギー化は基礎研究の応用として取り組むもので、調査場所となるビルの所有者である西日本電信電話(NTT西日本)では、環境対策の一環として、「大阪市水道局・ドライ型ミスト装置導入サポート制度」の活用による事務室空調(エアコン)室外機周辺に約100台の水道水ドライ型ミスト装置を導入する。
夏場高温になるエアコン室外機周辺の空気を冷却すると、機器の効率が高まり省エネルギー化(節電効果)につながることが期待されている。今回の取組みの実施にあたっては、水道局、大阪市立大学とNTT西日本で連携協定を締結、エアコン室外機周辺での水道水ドライ型ミスト散布の実測調査によって、省エネルギー対策やヒートアイランド対策などの観点から、「空冷室外機周辺でのミスト散布実施による蒸発冷却特性の検討」「省エネルギー対策効果の検証」「ヒートアイランド対策効果の検討」などの調査検証を行う予定としている。