Analog Devices(ADI)は、読み取り値±0.5%以上の精度と、100μVrmsから3Vrms(8.5Vp-p)のダイナミック・レンジを実現したRMS-DC(実効値-DC)コンバータ「AD8436」を発表した。4mm×4mmの20ピンLFCSPパッケージで、消費電力は300μAだ。温度範囲が-40℃~+125℃の広範囲に対応している「AD8436A」と、0℃~+70℃までの「AD8436J」の2タイプがある。
同製品は一定ではない入力値に対して均一なセトリング・タイムを提供するため、どんなAC入力に対しても安定したコンバージョン速度を実現し、迅速な結果表示を行なえるのが特徴の1つ。温度やクレスト・ファクタ、電源電圧変動の影響を受けず、コンバータ出力はゼロDCオフセットとなっているので、キャリブレーションが簡素化されている点も魅力だ。さらに、4mm四方の小型パッケージには、FET入力バッファや高精度ゲイン設定用抵抗素子、DCバッファ・アンプも内蔵済み。
そして、クレスト・ファクタをできるだけ少ない精度損失で、現行の業界標準デジタルソリューションのほぼ2倍となる10まで拡張。特に複雑な信号波形で効果を発揮するとしている。またレーザトリミングされ、なおかつ300mVRMS入力でキャラクタリゼーションされており、±2.4V~±18Vまでの両電源、4.8V~36Vの単電源で動作するという特徴も持つ。ちなみに、AD8436Aは拡張工業用温度動作範囲の-40℃~+125℃で動作するが、この温度範囲で動作するRMS-DCコンバータは業界初となっている。
主な用途としては、小型である点を利用し、ボード・スペースが制約されていてなおかつ屋外環境で使用されるような遠隔携帯バッテリ駆動計測機器、エネルギー計測用機器、自動車用アプリケーションなど。本国の米国での1000個受注時の単価は、AD8436Aが4.95ドルで、AD8436Jが2.95ドルとなっている。